魔法界ハロウィン

「魔法界にもハロウィンがあるというのが驚きでしたね。いまだに何をやるイベントなのかよくわかっていませんが…」
「先生は主にカボチャのほうに注目してるもんな、毎年」
「今年のは出来がいいですよ。あの大きいのなんか収穫しようとしたら私を食い殺しかけました。いきがいいです」
「……」
生産者の目が輝くかぼちゃ

「具体的には何をやるんですか?マグルの世界のハロウィンは仮装をして、集まって…」
「それとだいたい同じだよ。仮装して趣向をこらした悪戯を仕掛けまくる集まりだろ?」
「え、みんなトリックを選ぶんですか」
「むしろトリートを選んでどうすんの?腹減ってるならスーパー行けよ」
「……」

「悪戯メインだからまあ仮装もいい加減なもんだよ。マグルのふりをするのが定番かな」
「なるほどマグルが魔女や狼人間のコスプレをするのと同じ感覚なんですね、あれも大概いい加減ですから」
「なんでマグルの仮装だと魔法使いはみんなほうきを持ち歩いてんだろうな?死んだネズミを持ち歩いてるやつが一人くらいいてもいいだろ」
「剪定ばさみとかね」

ほうきにまたがって写真を撮ってるマグルをみて「あの姿勢じゃ飛べねえだろ」って突っ込むスターもたぶんいる



「今年はクリスマスのもみの木も順調に育ってるんですよ。それはもう立派にそそり立っています」
「立派にそそり立つとか官能小説以外で聞いたことねえ」
うっとりして言うな

この時期になると先生がヤドリギ育てまくってるから温室ではキスし放題とか言ってたらかわいいな
先生は「別にヤドリギがなくてもあなたならいつでもキスし放題でしょ」とかさらっと言うからむらっとくるんだよな
「違う違う、きっかけの問題だよ。ヤドリギがあればそれはキスするきっかけになるってこと」
「あなたならきっかけなんていらないと言ってるんですよ。いつだって」
「……」
ムラッ