ルートは一つしかないのかも

「…キクのクリスマスプレゼントどうしよう」
「いまだにおまえとキクちゃんがつきあってることに違和感を感じてしょうがないわ」
「おまえこそキクちゃんて何様だよ。マラドーナをちゃん付けすんのか?」
「アカウント名が『kiku-chan』だから一部のファンはそう呼んでんの」
「あっそ」
「プレゼントなにがいいか迷ってんの?趣味真逆だもんな。本人に聞けば?」
「それは最後の切り札」
「すっかり惚れてんな(※最後の切り札という単語がさらっと出てきたことに驚いている)キクちゃん欲しいものリストあげてなかったっけ?」
「見てみたけど仏壇とかネタっぽいやつしか…いやもしかして本当に仏壇がほしいのか…?」
「違うだろ」
「たまにレッドブルとかめぐりズムとかガチで欲しそうなもん上げてるけどどっかの富豪が光の速さで買ってくしなあ」
「キクちゃんファン多いからねえ。ゲーム界のスーパースターだし」
「切り札きるしかないか…でも聞いたら聞いたで『お気持ちだけで』とか言われそうで」
「難易度エグいな」
「わかったあいつから欲しいものを聞き出すまでは俺もなにが欲しいか言わない作戦でいくわ。そういえば俺たち趣味真逆なんだった。あいつも今ごろ迷ってるだろ」
最後の切り札をきるかどうかで

「プレゼントなにがほしい?」
「お気持ちだけで…」
「じゃあ俺もなにが欲しいか言わない。俺と同じくらい困るがいい」
「私は…フランシスさんからアーサーさんは紅茶がお好きとうかがったのでティーセットを贈ろうと思ってるんですけど…一番ほしいものかはわかりませんけど、いらないものでもないかなって」
「おいきたねえぞ」
あの髭裏切りやがったな

「それが俺の一番ほしいものかはわかんないんだろ?一番を目指さなくていいわけ?それも確実な一番を」
「うーんそう言われるとなんとも…」←常に上を目指す男
「な?じゃあお互いに一番ほしいものを教えあおうぜ。それがフェアってもんだろ」
「そうですね。えーと私がほしいのは…ものではないんですけど、クリスマスはアーサーさんと一緒にいられたらうれしいです。他に望むものはないです」
「いやそういうかわいいことはベッドの上で言えよ。今はまじめな話をしてんだよ」(※かわいさにキレだす)
「えぇ…」
至極まじめに言ったつもりなんですけど…

「ものと言われると難しいですね…もともとそんなに物欲もないですし…レッドブルとかめぐりズムはさすがに色気がないですよね?」
「(一応そういうことはわかってんだな…)」
「アーサーさんと一緒にいられたら他になにもいらないんです。本当に。一生そばにいてもいい権利とかあったら秒でポチっちゃうのにな」
「じゃあ結婚する?」
「…………」
「…………」
「…………え?」
「……いや、」
「なんなんですかもう…まじめな話をしてるんですよ今は」
「ごめん、いや、すごく…すごくまじめだった。でも今じゃなかったな。忘れて」
ぽろっと本音を漏らしちゃったあとに目も合わせられないくらい赤くなるアーサーさんほんとツボ

言うて本田もなかなかプロポーズみたいなこと言ってることに今気づきました

「わ…忘れられないです、そんなの」
「とりあえず今は忘れろよ」
「そんなの無理です、やりこんだゲームのすべてのオブジェクトとすり抜けられる壁の位置とその他いろいろ…たぶんアーサーさんが引くくらい細かいことをたくさん記憶できる脳みそを持ってるんですよこっちは」
「それはたしかに」
「まってくださいまず今後想定されるルートについて考えていいですか?頭処理落ちしそうなので」
「そんなにたくさんルートがあんの?」
「………な、ないかも」
答えはひとつしかないのかも

「先日プロポーズされました」って公表したら「あの世界一の男に?」「やるじゃん世界一の男」「おめでとう本田さんと世界一の男」とかさんざん言われて本田菊より上に世界一の男がトレンド入りしてそうでいいです